おはなしMamの絵本箱

2007年11月14日 (水)

☆キラリ☆キラリ☆キラリ☆キラリ…      「おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん」(長谷川義史/作・絵 BL出版) 

10月半ばに二学期最初の読み聞かせとなった1年生。今朝は2クラス合同だ。ドリームルームでは、1クラスだけが準備万端待ち構えていた。一方のクラスはチャイムギリギリになって到着。全員揃ったものの、気持ちの落差が彼らの間に敏感に作用する。
今まで静かに待っていた時の小さなおしゃべりが、その場の騒々しさと増幅している。久し振りの読み聞かせということもあり、私の声など掻き消され、本読みどころではない。

ここはひとつ、私のほうが子ども達へ近づこうと決めた。本を高く掲げ、表紙を見せて「きょうの本はこれですよ!」と声をかけながら、ぐるりとひと周り。だんだん本に気がついてくれたので「じゃあ、本の題名をみんなで一緒に読んでみよう」と誘う。「おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん」(長谷川義史/作・絵 BL出版)と大きな声で読んでくれた。こうして、やっとみんなの気持ちがひとつになり、読み始められた。

5歳のボクは好奇心旺盛。「ねえ、おじいちゃんのおじいちゃんはどんな人?ひいおじいちゃんのひいひいヒイ~は?」と質問は続く。時代を遡り、江戸・縄文・原始時代のおじいちゃん、ついに対面するのは「おサルさん」だった! ひいひいヒイ~の繰り返しと伸びやかな絵が楽しい。子ども達の″ヒイの大合唱〝に助けられ、ヒイ×115回まではキッチリ読めたね。あとは…。もう好きにして!
*おはなしMam/地域情報紙タウンニュース              横浜市--区版 平成15年10月30日号掲載分

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2007年10月30日 (火)

キラリ☆受け止めるメッセージ 「風切る翼」  木村裕一/作 黒田征太郎/絵 講談社     あなたを失いたくないと、思う誰かがきっといる…。「いのち」のことを書き続ける2人と、アートディレクター、編集者が、観客が見守る中、「9月11日」への思いをぶつけ合いながらつくり上げたライブ絵本。<日販MARCより>

本を読んで、他者に聞かせる―。単純だけどなかなか難しい。きょうの本「風切る翼」(木村裕一/作 黒田征太郎/絵 講談社)では特にそう思った。主人公はアネハヅルのクルル。群れがキツネに襲われた事件の原因とされ、仲間から疎まれ、背かれた彼は、絶望のあまり飛べなくなってしまう。冬を前に渡りができず、死と直面するクルルを救ったのは…。
 文章も絵も作家と画家の気迫が充分読み手に伝わってくる。実はこの本、彼らが仕事場を公開し、三日間のライブでストーリーと絵を創り上げた異色本なのだ。 さて、読むにあたって…ちょっと困った。聞き手は4年生。お子さん気分と大人気分の入り混じった微妙な年齢である。このシリアスドラマ系に、どう反応してくれるだろう。
 読み始める。冒頭から話は重い。読み進むにつれ重さはどんどん垂れ込めてくる。それは聞いている子ども達の上にも積み重なっていくような気がした。でも、その中で子どもたちはそれぞれ受け止めていた。ある子はツルたちの心理劇を、ある子はスピーディーな展開を。一冊の本が送るメッセージは決して一つではない。ある一つのメッセージもその受け取り方は様々なのだと実感した。締めくくりにちょっとしたプレゼント。本の裏表紙に書かれた作者直筆の「みんなへのサイン」を披露した。シリアス気分も吹っ飛ぶ「すっげぇ!」の大合唱できょうもめでたく―幕。
*おはなしMam/地域情報紙「タウンニュース」 横浜市--区版 平成15年10月16日号掲載分より

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2007年9月24日 (月)

東京子ども図書館へ-キラリ☆旅-

 おはなしMamのメンバーで、東京子ども図書館を見学に行きました。全国でも例のない、子どもの読書を専門にした私立図書館で、子どもたちの自由な読書の場であり、絵本に関わる大人たちにとっては、資料室や講習会の開催など学びの場となっています。
閑静な住宅街の中にある煉瓦造りの建物は「風見鶏」が目印。受付で来訪を告げると、穏やかな微笑を浮かべた女性が案内してくれました。地階の資料室で丸長のテーブル席につき説明を受けます。1950年代から1960年代にかけて家庭文庫活動から始まった図書館の歴史―。洋書も含め、古い絵本や郷土にまつわるお話やわらべうたの本、賞を受賞したものなど、さまざまな絵本が揃っています。「この本、私が小学生の頃読んだわ!」という懐かしさに、思わず本を手にしていました。
 児童室には「子どもが自分の目で見て、自分で本を選ぶ時に選びやすい本の数」という厳選された6500冊が、ゆったりと楽しげに並んでいます。新刊本は職員を中心とする選書会議で検討し選びます。
「おはなしの部屋」はアーチの入口をくぐると暖炉があり、「おはなしのろうそく」に灯りを燈して物語の世界が始まる所。照明がほの暗く、暖かな感じの小さなお部屋。東京子ども図書館は扉を開けると、そこは素敵な宝箱でした。
*おはなしMam/地域情報紙:タウンニュース/            横浜市--区版 平成15年7月31日号掲載分/取材協力:東京子ども図書館、中野区江原町1-19-10、℡03―3565―7711    都営地下鉄大江戸線・新江古田駅下車、A1出口より徒歩10分*見学の際は事前の問い合わせが必要です。<なお、これらは掲載当時の情報によるものです>

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2007年9月 5日 (水)

平和の願いはキラリ☆と遥か <アウシュビッツからのメッセージ> 「ハンナのかばん」     (カレン・レビン著/石岡史子・訳/ポプラ社)

 5月29日の横浜大空襲の日を前に、<アウシュビッツからのメッセージ>と副題がついた「ハンナのかばん」(カレン・レビン著/石岡史子・訳/ポプラ社)を読んだ。この物語は第二次世界大戦中、チェコスロバキアで生まれたユダヤ人少女、ハンナ・ブレイディに起きた本当のお話。アウシュビッツのガス室で、13歳の生涯を終えたハンナ。彼女が残したスーツケースに偶然出会った日本人女性が、ハンナを探す旅に…。
 重いテーマのお話に、少し緊張気味の5年生。淡々と朗読をしていく。そのうち、ざわつき始める子どもも出てきた。私は自分が本に集中し過ぎたことを反省し、文字を読みながら目線は子ども達のほうへ向けて、みんなの顔を見るように心がけた。すると不思議とざわつきが収まってくる。
 ハンナが町で映画を観ようとした時に「ユダヤ人、お断り!」と差別されてしまう場面では、「どうしてなの?」と私の胸に口惜しさと悲しみが込み上げ、押さえ切れなくなった私は涙声で読んだ。読み聞かせでは、あまり感情は込めずに読むのが王道。すると私のは邪道になるのだが、私は本を読むマシーンではない。感情の高まりや微妙な情感を子ども達と共有したい。   
 数日後、5年生の先生が「お話のカセットやCDはたくさんあります。でもお母さんが来て読んでくれるのがいいんです。子ども達の前で泣いたり怒ったりしていいですよ。」と暖かい言葉。          何よりの励ましである。
*おはなしMam/地域情報紙:タウンニュース/           横浜市--区版/NO.27 平成15年7月3日号掲載分*

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2007年8月21日 (火)

光のタンポポはキラリ☆と心へ        、「やさしいたんぽぽ」(文/安房直子、絵/南塚直子、小峰書房)

 四月の半ば過ぎ、「やさしいたんぽぽ」(文/安房直子、絵/南塚直子、小峰書房)という絵本を読みました。日の暮れた野原に女の子が佇んでいます。お母さんに言われて仔猫を捨てに来たのです。誰もいない野原で、掌の中の仔猫の行く末を案じて女の子は泣き出してしまいます。その時、野原にポツンポツンと黄色い明かりが灯りました。その光は女の子を励まし、仔猫を救う道を教えてくれる〝たんぽぽ″でした。

 ふと気付くとドリームルームは静まり返り、読み手の私が恥ずかしくなるほどです。猫を捨て難い女の子の心にみんな共感しているのでしょうか。たんぽぽはどうやって猫を助けてくれるのかと、固唾を飲んで成り行きを見守っているようです。〝優しさ″の波が私に伝わります。私は一瞬戸惑いましたが、この波に身を委ねることにしました。波が伝えてくれるとおり、もっと穏やかにもっと優しい心で語りかけます。子ども達の浄らかで温かい心に包まれて、私の声が澄んでいくのを感じました。

 女の子の優しさ、たんぽぽの力強く温かい言葉。それらに子ども達の心の一番きれいな部分が共振して静かな力が満ち溢れ、それが私の言葉を崇高な場所へと誘っていくようです。

 これが〝ライブの醍醐味″ってヤツよね。

*おはなしMam/地域情報紙:タウンニュース/

横浜市-区版/NO.26 平成15年6月19日号掲載分*

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2007年8月 2日 (木)

科学のキラリ☆はダンゴムシから*        「やあ!出会えたね ダンゴムシ」 今森光彦/文と写真、アリス館

絵本といっても、種類はいろいろある。読んで聞かせる本、見せる本。きょうの本は「やあ!出会えたね ダンゴムシ」(今森光彦/文と写真、アリス館)写真を見せる本だ。
 「今朝、○○君がダンゴムシ持ってきたよ」「ダンゴムシ嫌い!」(よしよし、いい食いつきだぞ、四年生諸君) もっと身近で観察したくなった作者が家で飼い始め、カメラで捉えたベストショットの数々。   中には…。「おーっ!」(そうだよね、ダンゴムシの正面どアップなんて、見たことないもんね) すくすく育つダンゴムシは脱皮し、産卵し、白くてちっちゃい子ダンゴ達が誕生する。「かわいー!」(あれ、さっき嫌いって言ってなかったっけ?) 子ども達はすっかり「ダンゴ好き」だ。写真をしっかりと見ている。新種の虫を発見すると、自分の名前を付けられるというと、「知ってる!恐竜もだよ」「彗星もそう!」理科の知識はちょっとしたもの。ダンゴムシのオス・メスが見分けられる子もいた。 興味によって、さまざまな博士が登場する。理科系の本は子どもたちの「なに?へぇ~、うそ!」をいっぱい引き出してくれる。
ところで、ダンゴムシはエビやカニの仲間だって御存知でした?
*おはなしMam/地域情報紙:タウンニュース/              横浜市ーー区版/NO.24 平成15年5月22日号掲載分

  *  *  *   *  * 
<ダンゴムシQIUZ>○ ×で答えてね!
① オスは腹部に2本の針を持つ。
② オスは腹部に1本の針を持つ。
③ 足は合計14本。
④ メスは腹部に斑点がある。
⑤ サソリとは同じ分類だ。
⑥ 甲殻類だ。

※答えは①=○、②=×、③=○、④=×、⑤=×、⑥=○、

解説;サソリはクモ類です。

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2007年7月14日 (土)

すごいパワーだ!キラリ☆の力*民話の世界の不可思議さ*

一年間の総まとめとして、一年生から六年生までいっしょの読み聞かせ会を体育館で行うことになった。何を読もうか? 広い体育館で使う大型絵本や紙芝居などを最初は考えたが、おはなしの基本に戻って「耳で聞いて心の中で想像する」作業を子ども達にやってもらうことにした。
県別ふるさとの民話シリーズより『神奈川県の民話』(偕成社)から民話を二つ。『まさかりが淵』手から滑ったまさかりが滝つぼに落ち、水底に娘がいる滝つぼの中へ木こりが入ると…。
『ネコの踊り場』手ぬぐいを盗まれ困っている宿の主人が、ある夜、横浜からの帰り道に数匹のネコが手ぬぐいで頬かむりし、輪になって踊っているのを見てしまう。するとそこへ…。
私達は語ることに徹し、子ども達のイメージが広がっていくのを待つ。騒ぎ出す子もなく凛とした空気にみんなが包まれた。会の終わりに、私達は思いがけないプレゼントを子ども達からもらった。「本を大事にしていきます」「推理小説が好きになりました」「心がふんわりするね」感想を書いてリボンでまとめた素敵なメッセージの花束。絵本を読みに行く私達の背中を、優しく押してくれる力を感じた。
*おはなしMam/地域情報紙:タウンニュース/             横浜市--区版/No.22平成15年4月17日号掲載分

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2007年6月23日 (土)

「だめよ、ディビッド!」  ディビッド・シャノン/作・小川仁央/訳

*いたずら大好き!キラリ☆っ子*

「いやだぁ!」ドリームルームに響く子ども達の大合唱。今日の観客は一年生。その声は次第に大きくなり、わくわくドキドキ、次に声を上げる瞬間を待つ。キラキラ光る瞳、今か今かと紅潮する頬。 「だめよ、デイビッド!」(デイビッド・シャノン作、小川仁央訳)は、幼児期の彼が、何かしでかす度にママが「だめよ!」と制止する、繰り返しの絵本である。それを読むうちに誰からともなく「いやだぁ!」と叫びはじめた。

 子どもにとって悪戯は楽しい。悪いことをしたい訳ではなく、自分のすることが,大人にとって悪いことだったり、不都合な結果を招いてしまうことが多い、というだけである。しかし、少しだけ大きくなった小学校低学年の子どもにとって、それはもう〝悪いこと〟になってしまった。けれどあの時の〝ときめき〟を彼らはまだ忘れてはいない。だから共感し、主人公と一緒に小さな大冒険をするのだ。その瞬間を仲間と共有することが、さらに彼らの喜びを増幅させているのかもしれない。

 お話の最後には、ママに反抗しながらも、ちょっぴり反省したり不安になったりしている(はずの)主人公が、心底安心する場面が用意されている。子ども達は自分を主張し表現するという大冒険の後、いったい何処に辿り着いたのかな。ああ楽しかった。

よかったね!*(C.S)

*おはなしMam/地域情報紙:タウンニュース/

横浜市--区版NO.20  平成15年3月20日号)に掲載分*

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2007年6月11日 (月)

「山のつなひき」花島美紀子/再話・藤川秀之/絵

☆絵本が育む子どもたちのキラリ☆

私たちは横浜市の小学校で絵本の読み聞かせボランティアをしている。朝八時半から二十分ほどの読み聞かせを、週二回、交代で七人の母親たちが受け持っている。ドリームルームと呼んでいる読み聞かせ専用の教室に、子ども達は次々とやってくる。今朝は二年生だ。上履きをそろえて脱ぎ、順番にマットの上に座る。どの子もその動作がきちんと習慣になってきていて、春に騒がしかったときと比べると素晴らしい進歩。朝の挨拶をして、すぐ絵本に入ることができた。

 「山のつなひき」(花島美紀子/再話・藤川秀之/絵)という山形県に伝わる民話。

互いに自慢しあう二つの大きな山の喧嘩を治めるために、二つの山の間に位置する小さな山が、喧嘩のせいで作物を作ることができずに困っている村人たちに一つの知恵を授けた。長い大きな綱を投げて二つの山に掛け、綱引きをさせて勝敗を決めようというのだが…。子どもたちは息を潜め、やがて思いがけない結末に驚きと安堵の息遣い。すっかり物語が楽しめるよう成長したその姿に頼もしさを感じて、読み手の私もうれしくなった。聞き終わった後に、駆け寄ってきた女の子が「こんなに長い縄、わたしも作ってみたいな」と言った。

*おはなしMam/地域情報誌:タウンニュース/横浜市--区版/

No.19 平成15年3月6日号掲載分*

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2007年4月16日 (月)

絵本の世界は私らしさを感じる時

私は絵本の読み聞かせを息子たちに、せっせと毎晩やっていました。今はその息子たちはもう大きくなってしまいましたが、彼らが卒業した小学校で読み聞かせボランティアをしていました。最近は仕事が忙しくなって参加できなくなったのが残念です。

読み聞かせをボランティアでするようになったきっかけは、当時、長男が不登校になって、長男の世話をするために勤めていた会社を辞めて家にいた私に、近所のお友達が「どうかしら?いっしょにやらない?」と誘ってくれたからです。その友達、彼女の瞳はとてもやさしく、暖かかったので、思わずOKの返事をしました。息子は不登校で家に籠もっていましたが、わたしまでも家に籠もりっきりではいけないと思いました。そうやって風通しをよくしていないと、どうにもならない感情に私が埋め尽くされそうだったからです。

絵本を読んでいるときは私の大好きな時間、いやなことを忘れて、目の前の子どもたちの小さな瞳に集中できました。

DVをする夫:モト君は、家の中でも会社の理論を持ち出し、5分でもボヤボヤするなとよく家族にいいました。すぐに成果を求めました。不登校になって家にいる長男には「ダメなヤツ」のレッテルを貼り、「私が甘やかしたせいでそうなった」とわたしを非難し、「俺は悪くない」と言い張りました。

そんなピリピリした家庭の中では、学校で絵本を読む時間は私にとって掛け替えのないものになっていきました。グループの名前を「おはなしMam」とつけたのは私の提案です。結構気に入っています。大勢のMam(マム)達が現在は参加してくれています。最初は私を入れて3人からスタートしていきました。

次回はおすすめ絵本の紹介と、読み聞かせの話の続きをしようと思います。

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